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沖縄の珈琲

先日、自分が一番沖縄で好きなコーヒーを買いに行きました。
場所は、恩納村の道の駅のJA内にある販売コーナー。
この小さな一角で、一人のおっちゃんが精魂込めて煎じたコーヒーを売ってます。
でもおっちゃんがいるのは土日だけ。平日は置いてあるコーヒーをレジで買えます。

名前は「まるい珈琲」

ここのコーヒーはどれもかなり深煎り。
深煎りなのに「まるい」。
香りはそれぞれ個性豊かで、どれも豊潤。
豆は全部オーガニック。
高いかというとそうでもない。200gで1000円程度。
豆は外国産だけどかなりマニアックに旨いので、話のネタにと、
ときどき内地の人へのお土産に買っていくこともあります。

このおっちゃんがまた面白い。
もう1年くらい通っててちょくちょく話をするので何となく顔は覚えてくれてるみたいだけど
基本的におっちゃんはいつも一方的に話をするので、よく相手を覚えてないんだと思う。
ただ、今回は話がスパークして盛り上がり、長話になりました。

なんと このおっちゃん WATSUを知ってたんです。

おっちゃんはもともと建築の仕事をしてたらしく、今の夢は、
セラピーや、自然遊びや、身体に優しい食事や、エコな宿舎を組み合わせた
リトリートを作って、そこでコーヒーを煎じていたいらしい。

おっちゃんは、今まで建築から農業、海遊び、料理から何でも
自分で試して凝ってこだわってやってきたけど、それに限界を感じて、
「良い物、本物が分かる程度まで自分でやって、後は人に任そう」
「自分はその場所作りに回ろう」と思ったらしい。
そう思ったとたん、いろんな窓が開いて、可能性が膨らんで、
今のリトリート構想が自分が納得がいく形でイメージできたんだそう。
そのリトリート構想の中にWATSUプールが入ってるんだそうな。

おっちゃんによると、
深煎り珈琲には、セラピー関連の人や、ロハス志向の人がよく集まるらしい。
いわゆる、カルチュラル・クリエイティブ層だ。

「カルチュラル・クリエイティブス」とは、アメリカの社会科学者が書いた本で、
今の社会を動かしている、先進派でも保守派でもない第3の人口層を指してます。
エコロジーで自然を愛し、経済の成功より心の豊かさを求めていて、予防医学や代替療法に関心が高くて、現実的で地球規模の視野をもち、行動的でまず自分が体験することを重視し、自己実現と助け合いの人間関係を大切にして、物事のスピリチュアルな側面も尊重する、、、
そんな人たちを意味します。
全米で5000万人、成人人口の1/4、と見込まれています。
もちろん日本にも相当数いるでしょう。
ちょっと大げさに言えば、ボクの周りはそんな人ばっかりです。ははは

そういう人たちがこの深煎り珈琲に集まるという。
そしてこのおっちゃんは、そういうお客さんたちとの出会いの中で、
自分がやるべきことが見えてきたという。

なるほど。

わかる気がします。

これは、ギリギリの美学なんだと思います。
おっちゃんはきっと、何度も珈琲豆を焦がしてしまう経験もしながら
極限まで深煎りすることを追及してきたんでしょう。
しかもコントロールしにくい薪を使って。
薪の善し悪しもあるでしょう。
焙煎後の熟成もギリギリまで我慢するんでしょう。

ギリギリを保つっていうのは勢いでは絶対にできないことです。
細部にこだわる分析と経験と、問題を乗り越える想像力がないとできないことです。
なにより、やりきる行動力です。
多分、そういうことは言わずとも、分かる人にはちゃんと伝わるんでしょう。
そのコーヒーを飲めば、わかるんでしょう。

おっちゃんが作るところでWATSUができたら素敵なはず。
おっちゃん、応援してるでー!
頑張ってやー!

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