8月末からハロルドとキャメロン・ウェスト先生によるWATSU-3のアシスタントとしてカリフォルニアに行ってきました。帰国してすぐに初の中国に3週間出張。帰国して1週間経ちましたが、やっと地に足がついてきた気がします。中国については、また別に書きます。まずはWATSU-3を振り返って消化したいと思います。

WATSU-3は自分にとっては4回目になります。

今回の目的は:

  1. 自分自身がWATSU-3のインストラクターになろうと明確にビジョンができてきたので、それに向けてアシスタント4回しなければならないし、いろいろな先生の教え方を勉強したいと思ったから。
  2. インストラクターとしてもセラピストとしても高名なキャメロン先生に学びたかったから。
  3. ハロルドを1週間過ごせるので、今後の展開などについて色々話をしたかったから。

今までは、実はボクはWATSU-3の先生になりたいとは思っていませんでした。
WATSU-3はもちろんフリーフローを教えるクラス。
ただ、「自由」を「教える」のは、簡単なことではありません。

ボクがWATSUのインストラクターになって10年が経ちます。
今までは、とにかく基本がしっかりしていれば、その後どんなに自由に施術しても、
安全、快適、効果的、な施術ができるはず、と信じていたので、基本をマスターして
もらうための自分の教え方をとことん追求してきました。
いったん自分のスタイルとしては完成したと思っています。
2年前から台湾でも教え始め、日本でも英語圏の生徒さんのクラスも行ったので、
違う文化の中でもブラッシュアップされて、うまく機能するという自信も得ました。

ただ、ここ最近、自分の中で迷ったり考えたりしているのは、
フリーフローの教え方についてなんだと気づくようになりました。
プロバイダートレーニングは、フリーフローを始めるための準備でもあり、
計画性のある施術の組み立て方であり、
緊張している「初心者」のお客様への効果的な対応であり、
とても意味のあるクラスだと思っています。
ただ、もっともっと掘り下げて、自分自身がちゃんと整理して理解して、
より良い教え方を追求しなきゃならないと感じるようになりました。
その背景には、

日本のワツラーの全体的なレベルが上がってきたこともあると思いますし、
WATSUを導入していただけるスパが増えて研修を担当させていただく経験が増えた
こともあると思います。
本当にありがたいことです。
次の10年をかけて、フリーフローの教え方を完成させようと、目標にしました。

おりしも昨年末からWABAでは組織改編が行われ、ハロルドが一線を退き、
新しく5人の理事が選出されました。キャメロン先生はその一人です。

また、理事会の諮問機関としていくつか委員会があるのですが、
その中の一つに、もっとも重要な教育基準専門委員会というのがあります。
ESACと呼ばれています。
ペギー先生の推薦もあって、ボクもESACの5人の委員の1人に選出されました。
やっぱりハロルドが一線から退いて時代が移り変わる中、
WATSUの次世代のために、ハロルド一家の今後のために、
WABAの地盤作りにちゃんと貢献していかなきゃ、と一念発起したのです。
ESACのメンバーは4人ともボクよりずっとベテランのインストラクターの方々で、
文字通り「末席を汚す」感じで会議に加わっています。
すごく自分の勉強にもなるので、こっち方面も頑張りたいと思っています。

さて、ハロルドとキャメロン先生のWATSU-3です。

ずっと会いたかったキャメロン先生の講習です。
フリーフローを追求するのに一番参考になるんじゃないかと期待していた先生だったので、すごく楽しみにしていました。

キャメロン先生ですが、結果を先に言うと、素晴らしい先生でした。
すごい。

施術経験も豊富。
もともと特殊教育にずっと関わって来られた方ですが、WATSU創世記からハロルドのお弟子さんとしてやってきて、カリフォルニアのPaso Roblesという小さな町で長年アクアセラピーをやってこられた方です。
特にトラウマや脊柱系のトラブルについては地元のお医者さんからも信頼されて紹介あまた。
感情にも配慮しながら行うアウェアネスとアプリケーションは圧巻。
とてもロジカルで教え方もわかりやすくて素晴らしいし、
しっかりグラウンディングされた存在感と、思慮に富んだ言動。
先生としても一流です。

とにかくカッコイイ。

これは日本に呼ぶ価値あり!!!

で、彼女が行う枕やヌードルを使った手技は、
AI(アクアティック・インテグレーション)と名付けられています。

今回のWATSU-3では、ハロルドと半分ずつ教える形だったので、
キャメロンのAIはほんの触りを習っただけ。
もともとAIは1と2とあって100時間で習うものですが、キャメロンのWATSU-3では、その一部を一般にも使いやすい形で教えているそうです。今回はさらにその半分だけだったから、本当に前菜程度。

もっと習いたかった〜!
でも、そこには深みのあるノウハウがきちんと整理されてつまっているのは明らか。
これは習う価値があると直感しました。

ただ、やはり医療的な施術として発展してきているものなので、日本に持ってくるときにはちょっと組み直す必要がありそう。想定する顧客層が違うから。
でもきっと、リジッド・ボディ(緊張・羞恥・自制のために堅く閉ざした身体)とか、女性セラピストが大きな男性を相手にするときとか、日本のワツラーの役に立つ場面もたくさんあるはずと思われます。

キャメロン先生も、来日に向けて積極的。
すごい先生ですが、気さくで優しくて、とても垣根の低い人です。

ただ、やはりボクが一回ちゃんとAIを習ってからでないと、いい形で日本に持ってこれないと思っています。台湾のワツラーはほとんど全員PTなので、そのままAIをもっていけると思うのですが、やはりスパが中心の日本の場合には、ちゃんと適合可能か見定めてから検討したいと思います。
早めにボクがAIを習いに行って、2018年はキャメロン先生も予定がつまっているということで、2019年の来日を目指します。

さてさて、ハロルドですよ。

今回は1週間以上ずっと一緒に生活することになったので、いろんな話をすることができたし、何よりこのおじいちゃんは一緒にいて本当に楽しい。

夕食に出かける前に師匠の日焼け止めを落とす弟子2人。

冷めきった背後霊。

もうハロルドも82歳です。

一瞬たりとも彼の周りに起こる笑いを逃すまいと集中力をキープ。

ハロルドのWATSU-3のハイライトは、ハロルドが受講生1人1人に7分ほどやってくれるプチ・フリーフロー・セッション。

陸上ではボワーっとしているハロルドも、WATSUを始めた途端、キリッと存在感が変わって、何かその空間を包むようなものが下りてきます。

ハロルド健在です。

ボクもやってもらいました。

間違いなくハロルドのWATSU。

これに魅せられて、これを追いかけて、これを後世に残したくて、

でも、いつも遠い。手がとどかない。

後半は涙が出てしょうがなかったけど、壁に戻ったとたん号泣してしまいました。

やはりこれを日本のワツラーにも受けてもらいたい。

そう願ってやみません。

もちろん今回の重要な交渉事項の一つでした。
結果としては、3年後、娘さんと一緒なら日本に行きたい、とのこと。

娘さんはカリアスさんといいます。
今年、WATSUのインストラクターの研修を受けてインストラクターになりました。
いまは大学院に通っていて3年後に卒業。
とても理性的で先生としてもWATSUも素晴らしいと評判の女性です。
すごく日本に来たがっているらしく、ハロルドとしても、自分の体調管理も心配なので、
彼女と一緒なら安心して日本に行ける、とのこと。

よっしゃ、じゃあ、カリアスさんの卒業を待ちましょう!

そんなわけで、盛りだくさんのアメリカ研修旅行が終わりました。

収穫もたくさん。
楽しみもたくさん。

また次回〜