WATSUの規定のトレーニングを修了してWATSUプロバイダーの資格を習得したワツラーから、「ぜひスキルアップの講習を開いてほしい」というリクエストにお応えして、新しく講習を開講しました。名付けて、Professional Advance! 自らハードルを挙げて挑みました。

自分のワツラーとしての15年間を振り返ってみると、
第1成長期は、やっぱりWATSU-1とかWATSU-2の頃だと思います。
第2成長期は、プラクティショナーとして(当時はプロバイダーという資格はなかったので)
お客さんに施術し始めてから。

でもそれは、自分にとっては雲をつかむような修行でした。
お客さんは喜んでくれてたと思います。だいたい。
ただ、自分では何がどうなってこうなるのかサッパリつかめないまま。
だから長かった。
「成長期」とは言えないかもしれません。
間違いなく成長はしてるけど、長くスローな成長期でした。

本当の意味での第2成長期は、インストラクターになってからかもしれません。
やっと意味がわかってきた。説明できるようになってきた。
どうしたらこうなる、ああしたいときはこうする、がわかってきた。
狙いをもってセッションを組み立てて、
反応に応じて工夫することができるようになってきました。

自分はそんな道のりを歩いてきましたが、
自分がWATSUを教えてプロになって人たちには、
そんな「雲をつかむような」成長期は経験させたくない!
そんな思いで今回の講習に挑みました。


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結果としては、
受講生の皆さんには本当に喜んでもらって良かったです。

  • フリーフローをお客さんにやっていく自信がついた。
  • 困っていた細かい疑問に答えが見つかった。
  • 今まで教わってきたことの意味が実感としてわかった。

自分にとってもすごく勉強になりました。

今回の講習は、思いっ切り小笠原ワールドでいこうと思ったんです。

小笠原が何を考えて、何をしているのか。
レシーバーの反応をどうとらえて、どう対応してるのか。
何を狙って、どうやってフリーフローを組み立てているのか?

小笠原のWATSUを説明したろ! そう考えたわけです。
というか
自分で自分のWATSUを説明できんのか!?
と、自分に挑戦してみたわけです。

別に今まで隠していたわけでは全然ないんです。
確かに、WATSU-1では言わないでいることはたくさんあります。
WATSU-2ではちょっと深くなりますが、まだまだ言わないことはたくさんあります。
フリーフローを学んでプロになろう!というプロバイダートレーニング。
それでも、まだまだあえて言わないでいること、たくさんあります。

もちろん受講生はすべてのクラスで十分にお腹いっぱいになってると思います。
それでいいんです。
各段階で一番優先順位が高いものでお腹いっぱいになってもらっているはずなので、
全然いいんです。
ま、ま、各クラスで学んでほしくて教えていることでも、
短い講習の時間内では身につけるまでにはいかないこともたくさんあるでしょう。
いいんです。いいんです。
ボクの中では「あ、そこまでは余裕がなかったんだな」と理解して、
今後のために評価表の中ではそのことを指摘させてもらっています。


それじゃ、あえて言わないでいることって何なのか?

それは、「必要」ではないことなんです。

それは、小笠原ならこうするな〜ということであって
WATSUの講習は、小笠原のWATSUを学ぶ場ではないから、です。

WATSUのフリーフローは、一人ひとりのカラー全開でいいのです。
その人の性格、知識、肉体、センス、思い、そんなものがすべて出るものです。
なので、インストラクターとして、踏み込む領域と、尊重する領域を
自分の中に分けて定めています。
答えはインストラクターが出すわけでなく、お客さんが出してくれるものだからです。


なので、今回の講習の依頼があったとき、どうしたもんかと悩みました。
受講してくれるワツラーは、もう、自分が教えるべきことを教えて、
プロとして公認した人たち。
何をいまさら教えるの〜? と。。。
「教えない」という講習スタイルも頭のなかではシミュレーションしてみました。

でも、やっぱりつまづきを感じてるから講習を希望しているわけで、
せっかくの成長期に伸び悩んではほしくない。。。

よっしゃ! ここはいっちょ、小笠原のWATSUを解剖してみよう!

となったわけです。
何もそれが「答え」ではありません。そんな必要はないんです。
一人のワツラーのWATSUを分解してみることで、
自分のスタイルを作っていく参考にしてもらえばいい、と考えました。

自分の第2成長期にはそんな機会はありませんでした。
ハロルドのWATSUを分解することなんてできないでしょ???
ミナクシならできる?
テリーは?
できないですよ。

WATSUのほかあらゆる水中ボディワークをやってきて、作ってきて、
他にもたくさんのマッサージやヨガ、東洋医学、運動療法、
いろいろたくさん勉強して、知識だけでなくて感覚を研ぎ澄ませて、
WATSUではそうやって自分の血となり肉となったものをすべて使って、
直観的にフリーフローしてるWATSUの師匠達。
分解して説明するなんて、できるわけないでしょ。

もちろん、聞いてみましたよ。実際。
「なんであの時こうしたんですか?」って。

ハロルドの口癖は
I was drawn to that.
「そこに引き寄せられたんだ」

。。。

それ、どうやったら勉強できます?
どっかで売ってるなら買いたいわ〜!

ミナクシはだいたい
「気持ち良かった?」って聞き返されます。
「はい、すごく」というと
「よかったね」と微笑みます。

。。。

ずるいわ〜。
質問を質問で返して丸く納めてしまう感じ。

でもね、小笠原くらいなら分解できるでしょ。

そもそも理論好きな男ですからね。
ある程度は直感的な部分もあるとは思うんですけど、
しょせんウンチク野郎だからね。説明しやすいはず。
一番わかってる自分がやるんだし。

で、自分を分析してみて、面白かったですね〜。

フリーフローとはいっても、やっぱりある程度のストーリーは決めてるんですよね。
ふわっとした大筋のシナリオはあるんです。

特に前半は、ちょっと整理したら「すべてのセッションで必ずやってる」と
言ってもいいシナリオが見えてくる。
言葉にして整理してみると、それはかなり理論的に説明できる。
理にかなってる。
レシーバーの反応によって変化したとしても、
やっぱりシナリオからそんなに離れることはしてない。
手段が違うだけで、狙いは変わってないから。。。
ということは、何が手段で、何が狙いなのか?

ふむふむ。。。

と、ウンチクが固まってくるわけです。
くくく。理論好きにはたまらん。

講習中に、受講生の皆さんからもらった質問もすごく内容を掘り下げてくれました。
皆さんは「重箱の隅をつつくようで申し訳ないけど」と聞いてくれるのですが、
いやいやいや、とんでもない!
ディテールにこそ、本質は宿るのです。

質問に答えながら、自分自身で気づくことがたくさんありました。
フリーフローでは、仮に技の名前をつけようとしてもつけられないようなことを
たくさんしています。
境目があいまいで、それでいて連続性があって、
パターンがあるようにもランダムなようにも見えるやつ。
見てても何をしてるか分からないけど、受けると気持ちいいやつ。

いったい何をしているのか?

いったい何を効かせているのか?

違うタイプのレシーバーにどう対応させているのか?

みんなの質問に答えてるとだんだん明確になってくるわけですよ、これが。
「あ、自分こうしてるわ」と気づくこともたくさんありました。
何回かやれば、もっと気づきがありそうです。

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自分は、一生かけて3000人にWATSUをしてあげるよりも、
同じことができる人を100人作って、300,000人にWATSUを届けたい。

そう思って、インストラクターになりました。

インストラクターになって、海外にも行き続けていると、
日本のワツラーのレベルが本当に高いことを誇りに思うようになりました。

今、Professional Advance というプログラムを作ってみて、
WATSUのトレーニング体系として目指すべき完成形が見えてきました。

もうちょっと進化させてからまとまめたいと思っているので
数年後はちょっと違った内容になってるかもしれません。
そうするとまた、最初の頃に受講した方々から恨めしい顔をされそうですが、
すんません、なにぶん、やりながら考えるタイプなもので。

でも、間違いなく、WATSUは進化します。

日本のWATSUすげえーと、世界から言わせたい。

そんな思いでワクワクするような講習ができて、本当によかったです。
ありがとうございました。

あと、WATSU合宿のお食事処「Cafeユカコ」は、今回も冴え渡ってました。

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