Withコロナ時代のWATSU対策
世界中からコロナの感染をゼロにするには数年もしくはそれ以上かかるとも言われています。少なくともワクチンや治療法が確立するまでは、医療崩壊しない範囲にコロナの感染をとどめられるように、経済活動を続けなければなりません。
私たちもWATSUのプロとして、ウイルスに関する最新情報や根拠のある情報を仕込みつつ、柔軟で、しっかりした対策をしいて、なによりもお客様とのコミュニケーションを的確にとって安心感を抱いていただくことが重要です。お客様には、緩い方もいらっしゃれば、締まっている方もいらっしゃいます。自分の基準をしっかりもって、それでいて、様々なお客様に納得してもらえるように、対策と説明を用意することが重要です。
正しく恐れるために。
何に注意したらいいのか?
まだ新型コロナウイルスについては科学的に分かっていないことも多く、便乗商売による根拠のない情報や婉曲された情報も多いのが現状です。直接的な科学的情報がない場合には、新型コロナウイルスと同類または類似のウイルスについての科学的情報から類推するしかありません。
感染経路について整理しておきましょう。
- 飛沫
- 空気
- 接触
- 水
❖ 飛沫
新型コロナウイルスは、肺や喉に感染する病気です。住処がそこなので、鼻孔周辺の体液には、ウイルスが含まれています。くしゃみや咳によって飛ぶ飛沫は主要な感染経路のひとつです。また、感染者が口や鼻を触った手にもウイルスはついていますし、その手がさわった場所や飛沫が飛んだ場所でも、このウイルスは2〜3日は生き続けると言われています。
特に身体が濡れるプールでは、いつくしゃみや咳をしてもおかしくない状況にありますから、飛沫を出さないようにする努力は非常に重要です。
❖ 空気
飛沫感染の「飛沫」とは水滴なので、ある程度の大きさがあって床に落ちます。しかし、マイクロ飛沫とか飛沫核と言われる細かい粒子は、しばらく空気中をさまよい、空気の流れがあればそれにのって飛んでいきます。くしゃみや咳だけでなく、話をしているだけでも、その周り1〜2mくらいの範囲に漂っています。このマイクロ飛沫を吸い込むことで、感染することがわかっています。(ただし、感染するには相当量のウイルスを吸い込まないといけないようですが、どのくらい?はわかっていません。
通常のマスクは、このマイクロ飛沫を出さないようにする効果が認められています。ただし、空気中をただよっているマイクロ飛沫を吸い込むことを止めてくれるわけではありません。マスクは、他者のためにするものであって、自分を守ることにはならないということです。ただし、みんながマスクをつけて、その場の空気を安全に保つことによって、自分の身を守ることにつながります。
高感度カメラによってマイクロ飛沫をとらえた映像をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=67vtPEU0Jqc
マスクの着用とともに、プール環境の換気が重要だということがわかります。
❖ 接触
感染者に触ることだけでは感染しません。ウイルスのついた表面を触った手で、自分の口や鼻を触ることで、感染することがあります。とにかく手は、汚れと接触し、自分の顔にも触る部位として、注意が必要です。
施設側では、アルコールや塩素で定期的に除菌していることと思いますが、それでも、不特定多数の人が行き来するプール施設では、とにかく自分の顔を直接触らないことや、頻繁に20秒以上かけて手洗いをすることが推奨されます。マスクを着用する副次的な効果として、自分が鼻や口を直接手で触らないようにすることがあります。
受付でお客様と会ってから、着替えて、プールで再開するまで、更衣室やトイレ、階段、エレベーターなど、手が触る場所がたくさんあります。マスクをつけて、自分の顔を触らないように注意を促すべきかもしれません。施設側の責任として除菌する、だけでなく、個人がそれぞれに自分の身体に取り込まないように気をつけなければいけない、という認識をお客様にもってもらう必要があります。
❖ 水
新型コロナウイルスが、プールや浴場において、水を介して感染するという事例や証拠はありません。塩素などで適切に衛生管理されていれば、ウイルスは不活性化されていると考えられます。
アメリカCDC
>>> Considerations for Public Pools, Hot Tubs, and Water Playgrounds During COVID-19
基本的に新型コロナウイルスの同族(SARSやMERSを含む)や、性質が似ているインフルエンザウイルスについては(すべてRNA型のエンベロープのないタイプのウイルス)、水や湿気の多い場所では活発ではないと分かっています。これまでにこれらのウイルスが水を介して発症したことがありません。
日本のプールの遊離塩素の基準は0.4mg/L〜1.0mg/Lと規定されています。アメリカでは最低1.0mg/Lとされていますし、ヨーロッパでは2.0mg/L以上の高い基準のところもあれば、0.5mg/L以上という日本に近い国もあります。塩素濃度が高ければ高いほど、殺菌効果は高いですが、それに比例して肌や髪のトラブルも多く発生します。
いずれにしても、これらの基準は、細菌や、水に強いウイルスの種類(アデノウイルス(プール熱)やノロウイルスなど)を除菌することを想定して決められています。日本の基準が低いからといって不安になることはありません。今まで適切に衛生管理された日本のプールで、その水を介してウイルスが発症したことはないですし、その基準を保っていれば、この水に弱いコロナウイルス系の心配をする必要がないことが分かります。
お客様には、「プールの水については、ちゃんと塩素消毒されていますので、ご心配は無用です。」と明言してください。
しかし、塩素というものは、ウイルスだけでなく、あらゆる有機物に取りついて化学反応します。人の肌の汗や皮脂、化粧品やオイル、日焼け止めなどにも反応します。化学反応すれば、プール中の塩素は減ります。おそらく日本のプールは、制御装置が遊離塩素の濃度を測って自動で塩素を足すシステムになっているはずです。しかし、プールの水が循環するには時間がかかり、言い換えれば、減った塩素が補充されるまでには時間がかかる、ということになります。
ですから、プールに入る前に、頭から爪先まで、しっかり時間をかけて身体を洗い流すことが重要です。それは、塩素による肌トラブルを少なくするためにも有効ですので、お客様にもしっかり誘導しましょう。
感染防止のための対策
どんな準備をすべきでしょう?
以下は沖縄WATSUセンターにおいて、施設と協力して対策をしている点です。
- セラピストは毎日検温
- お客様も受付時に検温
- お客様に対策の説明。マスク着用、顔を触らない、シャワーなどについて協力依頼。
- 定期的に施設内の殺菌
- プール環境の換気
- プールの衛生管理の徹底
- WATSUプール内では全員がマスク着用
- ゴーグルやフェイスシールドについては、準備はしつつ、着用についてはセラピストの判断。
- ウォーターダンスについては引き続き営業中止(飛沫防止のため)
世界保険機関(WHO)は、新型コロナウイルスに関しては、症状のない感染者や、症状が出る前の感染者によって感染することが、全体の40%以上を占めるという研究結果をようやく認めました。この研究結果は雑誌ネイチャーに4月15日に掲載されています。
これまではWHOは、症状のある人だけマスクをすればいいという方針を改め、公衆の場では全員がマスク着用することを推奨するとしました。
誰が感染者でもおかしくない、という前提で準備すべきですし、そのためには、ギバーもレシーバーもマスクを着用することが原則になります。
顔が濡れるレシーバーに関しては、どのようにマスクを着用してもらえばいいのか、今のところ、最善と思える方法を別ページで紹介しています。型紙とインストラクションビデオとともに紹介していますので、御覧ください。